住まいとアレルギー

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ダニ、カビが主な原因となっているアレルギー性鼻炎の事を「通年性アレルギー性鼻炎」といいます。子供さんに多いタイプです。ダニといわれてもピンとこないかもしれませんが、家の中のほこり(ハウスダスト)に生息する、コナヒョウダニやヤケヒョウダニという極めて小さなダニが原因となります。しかもダニそのものがアレルゲン(アレルギーの原因)となるのではなく、さらに小さなダニの死骸や排泄物が原因となるのです。

家の中で特にダニが多く住むところはどこでしょうか?主にカーペットやソファー、畳、布団や枕などの寝具で、ぬいぐるみなども好むところです。ダニはハウスダストを餌にします。ハウスダストは、その名の通り家のほこりの事ですが、人間やペットの皮膚の剥離片にカビが加わると病気を引きおこす主成分となります。人間も含めて動物が住んでいる環境では、ハウスダストが出てしまうことはやむを得ませんので、できる限りダニを減らす工夫をしていきましょう。

また、一年中出やすいアレルギーではありますが、特に北海道のストーブを使う時期などは、お部屋が締め切りになるため症状が出やすくなってきますので注意しましょう。

ダニを減らす方法

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1.掃除のしやすい住まいを作る

アレルギーの治療ならびに予防の最大の方法は、原因となリうる物質、すなわちアレルゲンの除去なのです。住まいの環境を整えることと密接な関係がありますので、お掃除しやすい住まい作りが肝心です。新築あるいはリフォームのチャンスがあれば、極力カーペットと畳は排除しましょう。フローリングやクッションフロアやタイルなどが理想的です。吸引したアレルゲンを空気中にまき散らさないという点でセントラルクリーナーもおすすめです。

2.布団のクリーニング

布団の中には、たくさんのダニが潜んでいます。押入れの中でふざけていて急にくしゃみが出たり、喘息の発作が出たりしたことはありませんか?布団を干した時には掃除機で充分に布団を吸引しましょう。この時肝心なのは掃除機を屋外に持っていく事です。アレルゲンは大変小さいのでごみパックをすり抜けて部屋にばら撒かれる事があるためです。最近市販されているダニを侵入させない、メッシュの細かい布を使った防ダニ布団も効果があります。

3.換気を良くする

カビもダニの好物ですし、これ自体アレルゲンとなりえます。したがってカビの発生しにくい家にすることもアレルギー対策の重要な方策となります。カビを出さない方法とは、すなわち結露を防止する事であると言って良いと思います。結露防止の最良の方法は換気を良くすることです。押入れや、タンスの裏側など空気が淀みやすい所では、結露が発生しやすいため気をつけなければなりません。マンションなどは水蒸気が溜まりやすいですし、最近の木造住宅も機密性が向上していますから、換気の問題は大変重要です。出来れば24時間強制換気が出来る家を作る事が望ましいですね。

4.ペットは避ける

犬や猫の上皮(ふけ)自体にも強い抗原性がありますし、またペットがいるとどうしてもダニの好む環境が増えてしまいます。アレルギー疾患のある患者さんのいる家庭では極力避けたほうが無難でしょう。